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『沈まぬ太陽』レビュー

今回は映画『沈まぬ太陽』(以下、本作)についてです。 一部ネタバレありです。

総評: 65/100  魂は震えないが、(原作が持つ恣意性を除けば)邦画の大作として健闘している。

本作の特徴として、上映時間の長さがある(約3時間半)。インターミッションのある映画を劇場で観たのは今回が初めてだが、最終盤になるまで時間は気にならなかった。

言うまでもないことだが、登場人物、団体は全て架空のもので…というくだりが強調されているが、誰がどう贔屓目に見てもモデルは今大揺れの日本航空である。
問題は「事実を基にした」フィクションと謳っているが、その枕詞が主人公側に寄り過ぎ著しく客観性を欠いてる原作をほぼ踏襲し、それを組織の持つ不条理や矜持のあり方とすり替えて宣伝している点だ。
主観的な世界である小説や映画の切り口に正確さや公平性を求める必要はないが、ノンフィクション的なものを臭わすのであれば最低限の公平性は担保されなければいけない。そうでなければただのプロパガンダである。 百歩譲って主役の元労組委員長は兎も角、元カ○ボウ会長の美化はかつての進歩的知識人たちによるソ連、北朝鮮や文革礼賛を思わせ噴飯ものだ。

こういった原作が持つ致命的な欠陥に目をつぶれば、本作は邦画の大作として楽しめる。(もっとも原作が売れたことで予算がついたのであろうが)
特にキャストが豪華で大物がわさわさ出ている。(私の好きな松下奈緒は冒頭の10分少々しか出てこないが)

上映時間の都合がつけば観て損はない映画と思う。

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